1997年のJリーグ アウェイ編

1997年のJリーグ アウェイ編

「事実は小説より奇なり」

まさにそのような出来事の連続でした。

1993年、日本初のプロサッカーリーグが開幕し、
ヴェルディ川崎として93年、94年連覇、95年は惜しくも2位、
96年はリーグ戦こそ7位だったが、天皇杯では優勝と、
まさに飛ぶ鳥を落とす勢いであった、「常勝軍団」のヴェルディ。

私も育成部門のスタッフ(アマチュアチーム総合マネージャー)から、
1997年に広報宣伝部に異動となりました。

仕事は、トップチーム(プロチーム)の広報宣伝が主な仕事で、
具体的には、毎日のトレーニングの取材対応、公式戦の帯同、
長期的なところではキャンプや海外遠征などのサポート業務もありました。

今回ご紹介するのは、
1997年5月10日土曜日、19時キックオフ、
神戸ユニバー記念競技場で行われた、ヴィッセル神戸との
アウェイでのリーグ戦の出来事です。

私たちは前日の午後より神戸入りして、リーグ戦に備え、
当日の午前中に近くの公園で軽く運動して競技場に出発する予定でした。
宿泊先の西神オリエンタルホテルから競技場まで事前の調査では
大型バス40分ほど、選手たちは長すぎても短すぎても文句が出ます笑

当時のJリーグ規約で、
選手、スタッフのチームで会場入りする場合は、
大型バスでキックオフ80分前に到着のこと、とあり、
時間には余裕を持って出発しました。
途中、渋滞箇所もありましたが、順調に運行し、
神戸ユニバー総合運動公園に差し掛かったところ、
バスが全く動かなくなりました。

「あれっ、おかしいな」

私はバスに乗っていて、嫌な予感がしました。
隣接する野球場でプロ野球のデーゲームが行われていたのです。
当時、その球場をフランチャイズにしていたのは、
オリックス・ブルーウェーブ、
そう、イチロー選手が所属していました。

「しまった~」
チームバスに同乗していたフロントは、私ひとり。
選手、スタッフは気心知れたメンバーでしたが、
仕事となるといつもの和やかさとは違い、真剣モードです。

K監督からは、
「福田くん、到着はいつになる!?」
選手からは、
「ウォーミングアップする時間はあるの!?」

先に競技場入りしている、
フロントの先輩、Fさんからは、
「キックオフ80分前に到着できないと、まずいね。
始末書もんだよ」

さらに、当日は、関西ローカルではありますが、
NHKのライブ中継あり、担当ディレクターからは、
「番組の穴は空けられません」と、
プレッシャーは半端ありませんでした笑

「どうなるんだろう〜」

バスの中は、異様なムードでしたが、
そうした時に救ってくれるのも選手たちです。

「福田さん、やっちゃったね〜」
「クビなんじゃないの〜」
というイジりから、
「ストレッチはバスの中でやろう!」
「アップ着にもう着替えておこう〜」
というポジティブな発言もあり、気がとても楽になりました笑

はい、そろそろ結果が知りたいですよね。

チームバスは1時間前に到着、
F先輩と私は、クラブの社長とJリーグ関係者から、
こっぴどく怒られ、始末書をリーグに提出。

終始バタバタでしたが、
試合は、4-2で勝利し、ほっと胸を撫で下ろしました。
観客も1万3千人を超え、NHK中継もバッチリでした。

試合終了は22時近くだったので、
当初の予定通り、東京に戻らず、後泊しました。

そして、三宮の夜は更けていましたとさ笑

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