厚生年金保険制度回顧録 後編

「それで、いよいよこの法律ができるということになった時、すぐに考えたのは、この膨大な資金の運用ですね。これをどうするか。これをいちばん考えましたね」

1988年(昭和63年)発行の「厚生年金保険制度回顧録」の中で、
戦前に初代厚生省厚生年金局年金課長だった、花澤武夫氏が語った言葉の引用です。

1940年(昭和15年)に厚生年金の創設を発表した際に語られました。
すでに、戦前から予想していたのですね。

要約すると以下の通りとなります。

「厚労省のOBになった時の勤め口に困らない」

「どんどん使ってしまって構わない」

「金が払えなくなったら賦課式にしてしまえばいい」

OBの天下りのポストは、年金積立金管理運用独立行政法人(以下、GPIF)を
始めとした法人に、
お金は、全国にあるグリーンピアなどの施設の建設に充当され、
将来の年金受給は賦課式とし、受給を先送りし、現役世代の負担率を上げる。

まさに、戦前に画策した花澤氏の「シナリオ通り」になった訳です。

前編でお伝えした通り、
厚生年金制度はスタート時から歪んでいましたが、
ゴールも役人の利権が絡んでいたんですね。

こうした驚くべき事実が世に出ても、
私たちは黙っているだけで、何もすることはできないのでしょうか。

繰り上げ受給も選択肢の一つです。
将来、総額でもらえる年金額が減少すると言われていますが、
健康のために、お金を使いたいという方にはおすすめです。

私も申請しようと考えています。

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